台湾=宝島×鬼島 滞在記

台湾企業で働く日本人が台湾についてテキトーに語るブログ

海外在住の日本人に「愛国心」や「日本人らしさ」を求める人に思うこと

インターネットを見ているとたまに、海外在住の日本人に対する「あの人は日本に対する愛国心がない」とか「海外に出ても(出るからこそ)日本人らしさを失ってはいけない」みたいな批判や意見をみかけます。

 

前者の多くは欧米などの先進国の成功や日本が過去に犯した失敗を例に出して、日本や日本人を批判したりする人に対する言葉で、後者は海外で活躍する日本人を称賛したり、逆に悪い意味で現地化してしまった、いい加減な日本人を批判する場合なんかに使われたりします。

 

自分は正直な話、日本という「土地」や「文化」に愛着はあっても、「国」にはそこまで愛が持てていない人間ですが、それでも上記の言葉を言いたくなる人の気持ちは分かります。とことん上から目線で日本を批判してくる英国在住のおばさんにイラッとしたりとか、海外で見た日本人の繊細な仕事に感動したりとか、日本だったら許されない倫理観で生きてる変な日本人に嫌悪感を抱いたりとか。

 

ただ、そういう「愛国心」とか「日本人らしさ」を海外在住者や他人に対して口にする人にお願いしたいのは

 

日本に住む外国人の持つ「愛国心」や「その国の人らしさ」の存在を意識したり、認めてほしい

 

ということです。

 

すべてとはもちろん言いませんが、愛国心や日本人らしさを強調したり、他人に求める人たちの中には、排他的な傾向を持つ人が一定数いると感じています。

 

自分の国を愛したり、自分たちの優れた側面を大切にしようというのは、“行き過ぎなければ”決して悪いことではないと思います。でも、だからこそ、日本に住む海外出身者や外国にルーツを持つ人間も同じように、「愛国心」と「その国の人らしさ」を持っていることを想像できたり、意識できればいいよなぁと思うわけです。

 

これって前の記事で書いた社会の多元性や、「和を以って貴しと為す」の本来の精神の実践にもつながると思っていて、目指す価値はあると思うのです。

 

というわけで、以上が1人の海外在住日本人からのちょっとした提言?でした。